水中カメラを構えるダイバー
ダイビング器材の選び方

水中カメラの選び方

 

美しい水中世界の模様や出会った生き物を写真や映像で記録することができ、ダイビングの楽しみを大きく広げてくれるのが水中カメラ。思い出の記録に手軽に撮影したい人から、本格的に作品を撮影したい人まで、さまざまなタイプの撮影機材が用意されています。そして周りの人たちに水中世界の感動を伝える力は絶大です。

水中カメラの各部説明

水中カメラの各部説明

カメラ本体

コンパクトデジカメ、ミラーレス、一眼レフのほか、アクションカム360度カメラなどさまざまなタイプがあります。最近ではスマホを水中カメラとして使うことも。カメラ本体に防水機能を備えているものと、防水ケース(ハウジング)に入れて使うものがあります。

水中ライト/水中フラッシュ

水中では太陽の光が吸収されるため、深く潜るほど色が失われます。水中を色鮮やかに撮影するなら、それを補う光が必要。カメラ本体に内蔵されているフラッシュを使うこともできますが、光の当て方などより本格的に撮影するなら、水中ライトや水中フラッシュがあると便利です。

 

水中カメラを選ぶ際のポイント

何をメインに撮影したいかを考える

水中カメラを選ぶ際は、まずは自分がどんなシーンでどんなものをメインに撮影したいかを考えましょう。例えば、スクーバダイビングで水中写真を楽しみたいという初心者には、コンパクトデジカメ+防水ケースからスタートするのがおすすめですし、プールやスノーケリングなど浅瀬で手軽に撮影したいという人には、防水カメラ本体だけでも十分かもしれません。もちろん、本格的に水中写真に取り組みたいという人は、ミラーレス一眼レフで、地形や群れなどを撮影するには広角(ワイド)レンズを、小さな生き物を撮影するなら望遠(マクロ)レンズを組み合わせて、クオリティの高い作品を目指すという方向も。また、水中の爽快感や臨場感をワイドな動画で撮影したい人にはアクションカムが、水中をVRで撮影してみたいという人には360度カメラ+防水ケースという選択肢もあります。自分の目的に合った水中カメラを選ぶようにしましょう。


マクロ系

ワイド系

水中での撮影のしやすさをチェック

自分の目的によって水中カメラのタイプが決まったら、その中で水中撮影がしやすい機能の整ったカメラを選びましょう。ひとつは「防水機能/耐圧機能」。カメラ本体に防水機能/耐圧機能が備わっているものや、防水ケースにその機能が備わっているものを選ぶ必要があります。防水ケースは、すべてのカメラに対応するものが用意されているわけではありません。自分が撮影したいダイビングシーンの環境に適しているか、しっかりと確認しておきましょう。

また、色が失われる水中に対応した「水中モード」が用意されているカメラだと、とても便利です。自分自身でホワイトバランスや露出を調整することもできますが、ボタンやダイヤルで簡単に選べる「水中モード」は、初心者が美しい水中写真を撮るうえで大きな助けになります。こちらの有無もチェックしておきましょう。

タイプ別おすすめ水中カメラ

手軽に水中撮影を始めてみたい人は・・・


アクティブに動画撮影をしたい人は・・・


スマホで水中撮影を楽しみたい人は・・・


水中360度VR映像/画像を撮影したい人は・・・


ワイドもマクロも手軽に&本格的に楽しみたい人は・・・


 

各ブランドのおすすめ水中カメラ

水中カメラを使う際のポイント

 

水没を避けるため、セッティングは慎重に

水中カメラでの撮影を楽しむ際に最も注意したいのが「水没」。カメラをセッティングする際は:

・防水機能のついたカメラでも、記録メディアやバッテリーを入れる場所がしっかりとしまっているかを確認。

・防水ケースは、Oリングのケアを万全に。

専用のシリコングリスを薄く伸ばして全体に塗り、砂や髪の毛などがついていないかを確認します。Oリング溝の清掃も忘れずに。最後にシリカゲルを入れて、しっかりと防水ケースの蓋を閉めます。

髪の毛が1本挟まっているだけでも水没してしまう可能性があるので、慎重にセッティングすることを心がけましょう。

水中も陸上もレンズを傷つけないように注意

レンズのガラス面は、命ともいえる大切な部分。ここを傷つけてしまわないよう、慎重に取り扱いましょう。陸上などで使わないときはカバーをつけて保護。水中でも、撮影するときだけカバーを外し、移動する際はこまめにカバーをつけることをおすすめします。特に、潮の流れの速いときや、ケーブなどの岩場を泳ぐときは要注意。また、カメラは精密機械のため、振動などにも弱いので、ボートで移動する際はフィンをクッション代わりにカメラの下に敷いたり、水没チェックの水槽などカメラが直接振動の影響を受けない場所に置いておくといいでしょう。

水中カメラの移動は振動に注意

水中カメラのお手入れポイント

多くのダイビングエリアでは、ダイビング器材を洗うための水槽とは別に、カメラ専用の水槽が用意されています。10分ほど、真水で漬けおき洗いをしたら、軽くゆすって砂などを洗い流します。全てのボタンとダイヤルを動かします。水槽に入れる際も、蓋がしっかりと閉まっているのを確認することをお忘れなく。その後、柔らかい乾いた布で包んで水滴をふき取り、風通しのよい日陰で乾かします。Oリングは劣化しやすいので、1年に1度を目安に交換することをおすすめします。

協力:OMデジタルソリューションズ(株)